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風流荘風雅屋

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お上品を目指す、のんき節

各国での日本漫画販売の様子

2015年07月13日
日本のマンガは世界中でどのように販売されているのか
あちこち巡ってみた
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世界には日本以上に漫画を愛する国はありません。
毎週発行される漫画雑誌の数々、そこに掲載されている
作品の数々。冒険、スポーツ、恋愛だけでなく、料理、歴史、
政治、経済、宗教まで、すべてを漫画が表現してくれます。
この漫画に惹かれてしまったのは、私たち日本人ばかりでは
ありません。漫画は海を越えて、多くの人々に愛されていました。

こんにちは、小さなころはドラえもんばかり読んでいた自転車
世界一周の周藤卓也@チャリダーマン
です。ポケットの中から
次々と出てくるひみつ道具に胸をときめかせていました。
映画も見てました。鏡の世界へ、宇宙の果てへ、雲の王国へ、
そんな冒険に憧れたからこそ、今こうして海外を旅しているの
かもしれません。

中国のドラえもん。
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メキシコのドラゴンボール。
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フランスのONE PIECE。
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海外でも本屋を見つけては漫画を探していました。皆さんお馴染みのキャラクターも、流暢な外国語を話してらっしゃいます。海外の漫画は、このような感じとなっていました。

◆アラブ首長国連邦
「アラブ首長国連邦」と書くと分かりづらいかもしれませんが、
ドバイです。天然資源の輸出に頼る経済構造から脱却するため
に、観光振興に躍起となっているドバイには、映画館、水族館、
スケートリンクも入った世界最大級のドバイモールという
ショッピングモール
があります。そこに、日本の紀伊國屋書店が
入っていて、英語版の漫画本が並んでいました。アメリカ、
イギリスと同じ本になります。そこで、英語版ドラゴンボールの
漫画を購入。



アニメ、映画、カードにゲームと、ドラゴンボールと一緒に育って
きた男の子は多いことでしょう。最近でも根強い人気から、
フリーザの復活を描いた映画「ドラゴンボールZ 復活の『F』」に、
魔人ブウとの戦いの後を描いたアニメの新シリーズ
ドラゴンボール超」と、新たな作品が作られています。
2013年に公開された「ドラゴンボールZ 神と神」という映画は、
南米のペルーでも上映されていて盛り上がっていました。
海外でも、ドラゴンボールは人気を博しています。

英語版ではドラゴンボールが全16巻、ドラゴンボールZが
全26巻と、構成が2つに分かれているので、最終巻が
このような感じとなっていました。
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裏表紙はこのような感じに。カバーがないので、
日本のコンビニコミックのような体裁です。
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34ディルハム(約1150円)でした。
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力強い線で描かれる鳥山先生のイラストは、アメコミに
通じるものを感じます。「VMMMM」「BAMM」といった
アルファベットの擬音も自然です。
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英語がペラペラの悟空。
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◆イタリア
高校生探偵だった工藤新一が、黒の組織に投与された薬の
影響で小学生の姿に。名探偵コナンは「見た目は子ども、
頭脳は大人」となってしまった江戸川コナンが、数々の難事件
を解決していく推理漫画です。
1994年に週刊少年サンデーで連載が始まり、実写ドラマ化
されたり、ルパン三世とコラボレーションしたりと話題に
事欠きません。こちらも、海外ではよく見かけます。
英語版は題名が「Case Closed」で、新一はJimmyで、
蘭はRachelになるということ。

イタリアにあった名探偵コナンは「Detective Conan」という
題名になっていました。Detectiveは探偵を意味する英語で、
これなら英語版も題名は「Detective Conan」でよさそうですが。
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巻末に目次がついてます。隣には日本の出版社の垣根を
越えて、ドラゴンボールの紹介が。3.90ユーロ(約530円)と、
ヨーロッパにしてはお手軽な値段でした。
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小説のような文字量とネットで突っ込まれていますが、
イタリア語でもページが台詞で埋め尽くされています。
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分かりづらい日本語である「SHOGI」には、
イタリア語のキャプションが付いていました。
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◆ブラジル
1999年から週刊少年ジャンプに連載を始め、昨年の2014年に
15年にわたる長期連載を完結させた「NARUTO-ナルト-」。
その人気は国内にとどまらず、海外でも絶大です。
日本ならではの忍者という設定に惹かれる外国人も
多いでしょう。そんなナルトをブラジルで見かけました。

出国間際に小銭が余っていて、ちょうどいいタイミングで
漫画を見つけたので、「NARUTO-ナルト-」65巻を購入。
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ジャンプでお馴染みの海賊のマークが、
ちょっとかわいらしい姿に。
10.90リアル(約425円)でした。
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穢土転生で歴代の火影が復活するシーンです。
日本語の「先代の火影達が」という台詞は、ポルトガル語の
「...OS QUATRO HOKAGES(四人の火影達)」となって
います。南米はスペイン語が公用語の国ばかりですが、
ブラジルはポルトガル語が公用語です。
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「にげろ」「罠アリ去レ」と日本語はそのままで、
ポルトガル語のキャプションがついていました。
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巻末には用語集がついていて、「屍鬼封尽(SHIKI FUJIN)」
「死神(SHINIGAMI)」「忍(SHINOBI)」
「真数千手(SHINSUU SENJU)」といった翻訳できない
日本語を、ポルトガル語で解説しています。
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空港にもあるほどなので、ブラジルの漫画事情もこのように
充実。いろいろな漫画が、ポルトガル語に翻訳されていました。
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◆ロシア
ロシアでも「NARUTO-ナルト-」を購入。モスクワ最大級と
いわれる「ドムクニーギ」という本屋で手に入れたのですが、
漫画の扱いは数えるほど。前日にロシアの秋葉原といわれる
場所も訪れているのですが、メキシコのように漫画を入手
することは無理でした。どこかに専門店でもありそうですが、
漫画が身近にある国ではなかったです。

かろうじて手に入れることができた「NARUTO-ナルト-」17巻。
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ローマ字の「NARUTO」はキリル文字で「Наруто」となります。
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作者紹介。
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ナルト、サスケ、サクラとキリル文字ながらも、
日本と同じ名前でした。名前が先で、名字が後です。
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全編ロシア語の表記に使われるキリル文字が使われています。
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ガガガガガ、ボコボコといった擬音はカタカナのまま。
隣に小さなキリル文字の擬音が併記されていました。
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コマの枠外に、お銚子に描かれた「酒」の説明。
日本人にしか分からないイラストには、
このような説明が付いています。
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「мя-aу(ミャーウ)」とロシア語で鳴く猫。
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巻末にはDEATH NOTEと、ドラゴンボールが紹介されて
いました。これらのロシア語版も気になるところです。
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◆タイ
前人未到の累計発行部数3億冊を達成し、
「最も多く発行された単一作家によるコミックシリーズ」
としてギネスブックにも掲載されたONE PIECE。
旅人の間でも「今すごい熱い展開」と話題に上がるほどです。
私の旅の間でも、3回ほどピークがありました。
海外でも大人気で、必ず置いてある漫画の一つ。
そんなONE PIECEが、タイにもありました。

72巻を入手。50バーツ(約180円)でした。
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タイ語なのでさっぱり読めません。ただ、
絵だけでもストーリーが何となく伝わってきます。
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ジャンプでお馴染みの海賊のマークは、タイ人が
愛してやまないゾウさんの姿に変わっていました。
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バックパッカーで賑わうカオサン通りの外れに、
漫画関係の雑誌や単行本を大量に揃えた本屋を発見。
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店内には、ところ狭しと漫画本が並べてあります。
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まるで、日本の本屋のような漫画の充実ぶりでした。
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◆マレーシア
マレー系、中華系、インド系と3つの民族が住むマレーシア
ですが、中華系の母語である中国語の漫画は豊富でした。
ただ、権利関係が怪しいものばかりで、実態が掴めません。
そんな状況ですが、ドラえもんには正式版があって、
大きな書店では結構見かけました。

「哆啦A夢」と表記されるマレーシアの中国語版。
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5.90リンギット(約190円)という値段でした。
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ドラミちゃんが主役の「ネッシーが来る」という話の一場面。
台詞は漢字となっていますが、中国本土と同じ簡体字が
使われています。
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6巻の最後は「さようなら、ドラえもん」となっていて、ひと区切り。
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日本と同じように、巻末には「ひみつ道具百科」が
載っていました。
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同じ小学館だからか、名探偵コナンの版権もあるようです。
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 クアラルンプールを象徴するペトロナスツインタワー
近くにある、伊勢丹も入る大きなショッピングモールでは、
紀伊國屋書店も営業しています。日本語の書籍も揃っている
のですが、現地の大型書店としても地元の人たちで賑わって
いました。こには英語版と台湾版の漫画が並べられています。

そこで、日本でも随分と話題になった「進撃的巨人(進撃の巨人)」
の台湾版を購入。「的」は「の」の意味で使われています。
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台湾だと1冊が100台湾ドル(約400円)のようですが、
マレーシアだと18.21リンギット(約600円)と、
少しばかし高い値段になってました。
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台詞が全て中国語になるのですが、
漢字が日本よりも複雑な繁体字となっています。
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超大型巨人の登場で、衝撃的な見開きとなった
「5年ぶりだな」という台詞は、「五年没見了」という中国語に。
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余白ページのおまけも、全部漢字となっていました。
古文書のような貫禄を漂わせています。
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マレーシアの首都クアラルンプールの
チャイナタウンでみかけた中国語版の漫画。
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随分と傷んでいたので買わなかったのですが、マレー語っぽい
漫画もありました。マレー語版も新品が欲しかったのですが、
いろんな本屋を探したけれど見つからず。だとしたら、
この本は何だったのかと気になっています。
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◆フランス
ヨーロッパでは、一番漫画のある国でしょう。カルフールと
いったスーパーマーケットにも漫画本が並べられていました。
特に「ONE PIECE」と「FAIRY TAIL」が人気だったのを
覚えています。日本の大ヒット漫画に留まらず、かなりの
マイナータイトルまで、ありとあらゆる漫画がフランス語に
翻訳されていました。

作りこまれたストーリー設定に、張り巡らされた伏線と謎解き。
少年ガンガンで連載され、同誌最高のヒット作となった
鋼の錬金術師は「FULLMETAL ALCHEMIST」という
題名として、フランスでも販売されています。
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カバーをはずしたら、イラストが載っていました。
もちろん、翻訳しています。
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「BON VOYAGE(よい旅を)」のように
全編フランス語となる中身。
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フランス語で「ouaf-ouaf(ワフ-ワフ)」と鳴く犬。
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おまけの4コマ漫画も健在でした。
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大好きなドラえもんもありました。「La Chat venu du Futur
(未来から来た猫)」というサブタイトルが付いています。
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裏表紙には、どういう漫画か分かるような説明。
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動物変身ビスケットで、猫の姿となったのび太。
「C'EST MON VISAGE!?(これが僕の顔!?)」
と驚いています。もともとが子ども向けの漫画なので、
フランス語も易しくて読みやすかったです。
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巻末にはおまけのページがあって、「どら焼き」「餅」といった
フランス人に馴染みのない食べ物の説明をしていました。
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二人の少年コンビが漫画家を志して奮闘していく姿を描いた
「バクマン。」も、フランス語版がありました。
表紙は日本と一緒ですが、左隅に「Version Francaise
(フランス語版)」、右隅に「Kana(出版社)」と記されています。
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こちらも、セリフが多い漫画として有名で、フランス語版も
このような状況に。翻訳の方は大変そうです。
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小学生のときにノートに書いた「サギ師探偵ヒカケ」
という漫画を思い出す場面ですが、
そちらのロゴまでアルファベットでした。
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持ち込んだネームが掲載されることなく、
落ち込む二人に編集部の批評を読ませる場面。
ここも、全部フランス語になっています。
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おまけページのネームは、さすがに日本語のままでした。
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山岳救助を題材に、実写映画化もされた「岳」は、
フランスでは垂直という意味の「VERTICAL」という題名に。
Tのアルファベットがピッケルを表しています。
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落ち着いた感じの絵柄は、
フランス語がとても似合っていました。
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このようにフランスは漫画が充実しているのですが、
少年コミックで6.6~6.8ユーロ(約900~930円)とかなり高め。
青年コミックだと、8.05ユーロ(約1100円)もしました。
ただ、これだけ本が流通しているなら、日本と同様に古本屋も
あります。パリの中心には、かなり大規模な古本屋があって、
中古の漫画なら半額くらいで買うことができます。

漫画だけではなく、いろんな本が置いてあった古本屋でした。
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かなりのスペースに、漫画が置かれています。
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漫画本が多すぎるので、1つの棚でも前と奥の2段という陳列。
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日本の流行を追いかけるように、旬の漫画が並べられていました。
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平積みで置かれていたのは新刊本。
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このような感じで、日本の漫画は海外にかなり浸透していました。
記事では紹介できませんでしたが、
南米にはスペイン語版もあります。

漫画から生まれてくるキャラクターは、変哲のない品物に
付加価値を加えます。アメリカのディズニーと並ぶほどに、
日本の漫画はキャラクタービジネスを仕掛けていけるでしょう。
衰退していくしかない製造業に代わって、日本を支えていくのは、
漫画なのかもしれません。場所によってはアメリカ的な
「Comic」とは違う、日本的な「Manga」というジャンルが
確立されつつあります。

(文・写真:周藤卓也@チャリダーマン
自転車世界一周取材中 http://shuutak.com
Twitter @shuutak)
http://gigazine.net/news/20150713-japanese-manga-overseas/
by buttonde | 2015-07-14 05:47 | | Trackback | Comments(0)

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