久々浮世絵 11
2015.01.27
かなりネコだらけ 江戸時代の浮世絵師「歌川国芳」が描いた
人情味あふれる団扇絵いろいろ
by wakaba
猫好きとして知られた江戸時代末期を代表する浮世絵師・
歌川国芳が描いた人情味溢れる猫(擬人化された猫)の
浮世絵です。浮世絵の猫が可愛いだけではなく、
当時の暮らしの様子や人気だった歌舞伎役者などが
よく分かります。
歌川国芳(1798年〜1861年)は、江戸時代末期を代表する
浮世絵師の一人。浮世絵と題材として現在でもよく知られている
風景画や役者絵・美人画から、性風俗を描いた春画など
様々なジャンルの作品を残しています。
そして猫好きとしても非常に有名だったようで、常に何匹かの
猫を飼っており懐に猫を抱いて絵を描いていたとも伝えられる程。
そのため猫を描いた作品、また擬人化した猫が登場する作品が
数多く残されています。
こちらの作品群は、団扇(うちわ)で使用するための浮世絵
「団扇絵(うちわえ)」として制作されたもの。団扇絵として
作られた作品のうち、実際に実用されず鑑賞や見本用として
使用されたものは現在も現存しています。
1. 「猫の六毛撰」(1843年〜1846年)
2. 「猫のすずみ」(1839年〜1842年)
3. 「猫のけいこ」(1841年)
4. 「源氏物語」(1842年)
源氏物語10巻「賢木」を再現した作品
5. 「猫身八毛意」(1840年頃)
6. 「見立て猫見八貝」の下書き
7. 「猫のつるけん」(1847年)
猫の7種の感情を表した作品。
8. 「猫のおどり」(1841年)
9. 「七福神」(1840年頃)
動物で七福神を模した作品。
弁才天(弁財天)として猫が描かれています。
10. 「猫のけん」(1841年)
じゃんけんと類似する「狐拳」(グー・チョキ・パーではなく
狐、庄屋、猟師となる)を楽しむ三匹の猫。
11. (1940年頃)
普通の家庭を擬人化した猫で描いた作品。
12. 「おぼろ月猫の盛」(1846年)
吉原の遊郭の様子
13. 「猫の百面相」(1842年)
当時活躍していた歌舞伎役者が描かれた作品。
左上から尾上栄三郎(三代目)、中村歌右衛門(四代目)、
市川團十郎(八代目)、澤村宗十郎(五代目)、
関三十郎(三代目)、中村芝十郎、岩井紫若
14. 「猫の百面相」(1842年)
左上から小佐川常世(四代目)、不詳、関三十郎(s代目)、
大谷広右衛門(五代目)、岩井半四郎(五代目)、
市川海老蔵(五代目)、市川広五郎、市川箱右衛門。
15. 「猫の百面相」(1842年)
左上から嵐吉三郎(三代目)、岩井半四郎(七代目)、
市川九蔵(二代目)、市川海老蔵(五代目)、
尾上菊次郎(二代目)、中山文五郎、澤村宗十郎(五代目)
16. 「猫の百面相」(1842年)
17. 「忠臣蔵 三段目」
忠臣蔵 三段目・恋歌の意趣を描いた作品
18. 「歌舞伎の出語り」(1842年)
歌舞伎の出語り
19. 「双蝶々曲輪日記」
歌舞伎の演目「双蝶々曲輪日記
(ふたつちょうちょう くるわにっき)」に登場する二人の力士
20. 「くつろぐ夏の猫美人たち」(1842年)
また同じく江戸時代後期に描かれた「屁合戦絵巻」も
一見の価値ありな作品です。ご先祖様たちの感性、
本当に凄いです。
昔の人はすごかった……互いを屁でぶっ飛ばすバトルを
描いた江戸時代の奇想天外な絵巻物「屁合戦絵巻」
ソース:Kuniyoshi Project
http://dailynewsagency.com/2015/01/27/kuniyoshis-dressed-cat-prints-yy8/
2015年2月1日
明治時代を代表する浮世絵師・
月岡芳年と豊原国周の美人画が開催中
明治時代を代表する浮世絵師・月岡芳年と豊原国周の
美人画を紹介する展覧会「芳年と国周 -
『風俗三十二相』と『見立昼夜廿四時之内』」が
2015年2月1日(土)〜2015年2月25日(水)で
開催されています。
月岡芳年(つきおかよしとし)(1839~1892)の「風俗三十二相」
は明治21年(1888)から出版された芳年の美人画の代表作、
豊原国周(とよはらくにちか)の「見立昼夜廿四時之内」も同じ
美人画で芳年の「風俗三十二相」と近い明治23年(1890)に
出版されています。
芳年の「風俗三十二相」、「三十二相」とは仏が備える優れた
身体的特徴を数えた仏教用語で、これを女性になぞらえた美人画
で、国周の「見立昼夜廿四時之内」は24図からなるシリーズ。
「午後◯時」「午前◯時」など、二十四時間の各時間が題名と
なっており、身分や職業の異なる女性たちの行動を描いています。
この両者の2つのシリーズに加え芳年や国周の師匠にあたる
歌川国芳や三代歌川豊国(国貞)の作品なども紹介されます。
月岡芳年「風俗三十二相 けむさう 享和年間内室之風俗
月岡芳年
「風俗三十二相 あいたさう 嘉永年間おいらんの婦宇俗」
月岡芳年「風俗三十二相 うるささう 寛政年間処女之風俗」
豊原国周「見立昼夜廿四時之内 午后一時」
豊原国周「見立昼夜廿四時之内 午後六時」
豊原国周「見立昼夜廿四時之内 午前十一時」
展覧会名:芳年と国周
-「風俗三十二相」と「見立昼夜廿四時之内」
期間:2015年2月1日(土)〜2015年2月25日(水)
休館:2月2日、9日、16日、23日
時間:10時30分~17時30分
場所:太田記念美術館
住所:東京都渋谷区神宮前1-10-10
入場料:一般 700円 大高生 500円 中学生以下無料
http://plginrt-project.com/adb/?p=34922
2015年02月13日
葛飾北斎が描いた波は、
ハイスピードカメラでとらえた波と激似していた。
日本が誇る江戸時代後期の浮世絵師、葛飾北斎は、
荒々しい波の描写を描いた「神奈川沖浪裏」が、海外の
芸術家に高く評価され、ゴッホや、ドビュッシーなどに
影響を及ぼしたといわれている。
そのダイナミックな波頭が崩れる描写は、一見抽象的にも
見えるが、ハイスピードカメラで撮影された波と比較すると、
写実的であり、北斎の洞察力のすばらしさを実感することが
できるのだ。
フランス人写真家のピエール・カローは、過去10年に及び、
パワフルな波の様子をハイスピードカメラで撮影するプロジェクト
を実行している。ピエールの撮影した波は、まさに北斎の絵、
そのものであるとしてネット上で話題を呼んでいた。
via:thisiscolossal
ハイスピードカメラの波の写真も素晴らしいものがある。
ピエール氏は、波のハイスピード写真は時として二次元のように
視覚化されることがあると述べている。湾曲する波が浴びた
光の反射は実に美しく、飛び散る泡と相まって、時にパワフルで、
時に静けさを感じさせる。その海のもつ二面性を北斎は江戸時代
に忠実に描写していたようだ。以下は北斎の描いた波の絵である。
見比べてみてほしい。
▼あわせて読みたい
これが水星の「北斎」だ。NASAの探査機メッセンジャーが
とらえた水星のクレーター「HOKUSAI」の画像
「龍」の形をした雲が葛飾北斎の「龍図」の構図に激似!?
江戸時代の生物画家、
毛利梅園の描いた実写的海の生物図鑑「梅園介譜」
江戸時代の医学がわかる人体解剖図、病医学図
江戸時代から明治時代にかけて、日本が作った世界地図
http://karapaia.livedoor.biz/archives/52184808.html
北斎は浜辺で一日中波を眺めていたなんて話があった。
若冲も庭の鶏を一日中飽きもせずに見ていたことがあったとな。
カメラが無い当時は、
よく見て覚えられるくらいこだわったんだろな。
かなりネコだらけ 江戸時代の浮世絵師「歌川国芳」が描いた
人情味あふれる団扇絵いろいろ
by wakaba
歌川国芳が描いた人情味溢れる猫(擬人化された猫)の
浮世絵です。浮世絵の猫が可愛いだけではなく、
当時の暮らしの様子や人気だった歌舞伎役者などが
よく分かります。
歌川国芳(1798年〜1861年)は、江戸時代末期を代表する
浮世絵師の一人。浮世絵と題材として現在でもよく知られている
風景画や役者絵・美人画から、性風俗を描いた春画など
様々なジャンルの作品を残しています。
そして猫好きとしても非常に有名だったようで、常に何匹かの
猫を飼っており懐に猫を抱いて絵を描いていたとも伝えられる程。
そのため猫を描いた作品、また擬人化した猫が登場する作品が
数多く残されています。
こちらの作品群は、団扇(うちわ)で使用するための浮世絵
「団扇絵(うちわえ)」として制作されたもの。団扇絵として
作られた作品のうち、実際に実用されず鑑賞や見本用として
使用されたものは現在も現存しています。
1. 「猫の六毛撰」(1843年〜1846年)
源氏物語10巻「賢木」を再現した作品
猫の7種の感情を表した作品。
動物で七福神を模した作品。
弁才天(弁財天)として猫が描かれています。
じゃんけんと類似する「狐拳」(グー・チョキ・パーではなく
狐、庄屋、猟師となる)を楽しむ三匹の猫。
普通の家庭を擬人化した猫で描いた作品。
吉原の遊郭の様子
当時活躍していた歌舞伎役者が描かれた作品。
左上から尾上栄三郎(三代目)、中村歌右衛門(四代目)、
市川團十郎(八代目)、澤村宗十郎(五代目)、
関三十郎(三代目)、中村芝十郎、岩井紫若
左上から小佐川常世(四代目)、不詳、関三十郎(s代目)、
大谷広右衛門(五代目)、岩井半四郎(五代目)、
市川海老蔵(五代目)、市川広五郎、市川箱右衛門。
左上から嵐吉三郎(三代目)、岩井半四郎(七代目)、
市川九蔵(二代目)、市川海老蔵(五代目)、
尾上菊次郎(二代目)、中山文五郎、澤村宗十郎(五代目)
忠臣蔵 三段目・恋歌の意趣を描いた作品
歌舞伎の出語り
歌舞伎の演目「双蝶々曲輪日記
(ふたつちょうちょう くるわにっき)」に登場する二人の力士
一見の価値ありな作品です。ご先祖様たちの感性、
本当に凄いです。
昔の人はすごかった……互いを屁でぶっ飛ばすバトルを
描いた江戸時代の奇想天外な絵巻物「屁合戦絵巻」
http://dailynewsagency.com/2015/01/27/kuniyoshis-dressed-cat-prints-yy8/
2015年2月1日
明治時代を代表する浮世絵師・
月岡芳年と豊原国周の美人画が開催中
美人画を紹介する展覧会「芳年と国周 -
『風俗三十二相』と『見立昼夜廿四時之内』」が
2015年2月1日(土)〜2015年2月25日(水)で
開催されています。
月岡芳年(つきおかよしとし)(1839~1892)の「風俗三十二相」
は明治21年(1888)から出版された芳年の美人画の代表作、
豊原国周(とよはらくにちか)の「見立昼夜廿四時之内」も同じ
美人画で芳年の「風俗三十二相」と近い明治23年(1890)に
出版されています。
芳年の「風俗三十二相」、「三十二相」とは仏が備える優れた
身体的特徴を数えた仏教用語で、これを女性になぞらえた美人画
で、国周の「見立昼夜廿四時之内」は24図からなるシリーズ。
「午後◯時」「午前◯時」など、二十四時間の各時間が題名と
なっており、身分や職業の異なる女性たちの行動を描いています。
この両者の2つのシリーズに加え芳年や国周の師匠にあたる
歌川国芳や三代歌川豊国(国貞)の作品なども紹介されます。
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期間:2015年2月1日(土)〜2015年2月25日(水)
休館:2月2日、9日、16日、23日
時間:10時30分~17時30分
場所:太田記念美術館
住所:東京都渋谷区神宮前1-10-10
入場料:一般 700円 大高生 500円 中学生以下無料
http://plginrt-project.com/adb/?p=34922
2015年02月13日
葛飾北斎が描いた波は、
ハイスピードカメラでとらえた波と激似していた。
荒々しい波の描写を描いた「神奈川沖浪裏」が、海外の
芸術家に高く評価され、ゴッホや、ドビュッシーなどに
影響を及ぼしたといわれている。
そのダイナミックな波頭が崩れる描写は、一見抽象的にも
見えるが、ハイスピードカメラで撮影された波と比較すると、
写実的であり、北斎の洞察力のすばらしさを実感することが
できるのだ。
フランス人写真家のピエール・カローは、過去10年に及び、
パワフルな波の様子をハイスピードカメラで撮影するプロジェクト
を実行している。ピエールの撮影した波は、まさに北斎の絵、
そのものであるとしてネット上で話題を呼んでいた。
ハイスピードカメラの波の写真も素晴らしいものがある。
ピエール氏は、波のハイスピード写真は時として二次元のように
視覚化されることがあると述べている。湾曲する波が浴びた
光の反射は実に美しく、飛び散る泡と相まって、時にパワフルで、
時に静けさを感じさせる。その海のもつ二面性を北斎は江戸時代
に忠実に描写していたようだ。以下は北斎の描いた波の絵である。
見比べてみてほしい。
これが水星の「北斎」だ。NASAの探査機メッセンジャーが
とらえた水星のクレーター「HOKUSAI」の画像
「龍」の形をした雲が葛飾北斎の「龍図」の構図に激似!?
江戸時代の生物画家、
毛利梅園の描いた実写的海の生物図鑑「梅園介譜」
江戸時代の医学がわかる人体解剖図、病医学図
江戸時代から明治時代にかけて、日本が作った世界地図
http://karapaia.livedoor.biz/archives/52184808.html
北斎は浜辺で一日中波を眺めていたなんて話があった。
若冲も庭の鶏を一日中飽きもせずに見ていたことがあったとな。
カメラが無い当時は、
よく見て覚えられるくらいこだわったんだろな。
by buttonde
| 2015-01-29 05:03
| 日本画
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